Swim Mom 日記

くまもと出身、アメリカ東部在住。水泳好きな息子たちのおかげで競泳ワールドを覗いています。

ケーブルを引っこ抜いちゃいました

見えないものを定義することがこれほどやっかいなことかと嫌というほど感じさせられた1年でしたが(何のことをさしているのかはお察しの通り)、

 

今日は同じく、やっかいでかつ見えないもう一つのものについて。

 

やっかいで見えないもの、”コ”から始まるウイルスとやら以外に何があるでしょう。

 

今は世界中どこにでもありますよね。空気のようになっていて、これがないと世界が止まって、なくなってしまうと生きていけないような感覚にまでなってしまう、あれ。

 

 

そう、みなさんご存じ、Wi-Fi さんのことです。

 

世界中どこにでも顔をだすことができて、どこにいても使うことができて、便利極まりない、この発明。仕事だって、遠くの人とのやり取りだって、なんだって可能にしてくれています。

 

だけど、この大海原にいつでもどこでも何にでもアクセスができる状態で家族が皆何の制限もなく向かって行ったらどうなるでしょうか。一緒にいるのに、一緒にいない。家族なのに家族じゃない。同じ家に住んでいるのに、会話がない、という状況があたりまえになってしまいます。

 

我が家は、テレビをみません。ニュースやコマーシャルは車に乗っているときにラジオを聞くくらいでやってきてたのに、スマホ、コンピューター、学校で配られるディバイスが家の中にやってきてから、24時間アクセス可能、ゲームだってYoutubeだってそれぞれが好きなものを選んでみることができるようになり、ここ数年で今までの生活が大きく変わりました。一応、口約束では一日の時間は決めていたものの、友達とのやりとりや、学校の宿題、読書までもWi-Fiを必要とする時代、子供たちのペースを見てきてはいましたが、やっぱり、どうしても、強い刺激にコントロールされている様子は見ていてはっきりわかりました。食事は一緒に食べたとしても、すぐに食べ終わってそそくさとネットを見に行ってしまう。体と魂が、引っ張られていき、約束している使い方なんて、あってないようなもの。

 

でも、思ったんです。家の中にWi-Fiを流している限り、子供が自ら意思の力で使用をリミットするなんて、無理だと。まるで、5歳の子供の前にマシュマロをたくさん入れた瓶をふたを開けたままにして置いておいて、「1日1個しか食べちゃダメだからね」と言っているようなものだと。 ドーパミンを流したいように脳は出来ていますから。

 

同じように、子供たちがキンダーのうちから1人1台支給されて、宿題だけでなくゲームもできるようになった状況を嘆いている親御さんはたくさんいて、みな、口をそろえて、「あのディバイス、叩き壊してやりたい」と言っています。

 

どこもそう、親御さんたちは、四六時中インターネットに子供たちが向かっている姿を喜んでいません。しかたないのかな、もうこうなっちゃったからしょうがない。よくて、静かにしてくれているからまあいいか、と思っているくらい。

 

子供の意思は尊重したい、でも、このネットびたしの環境は子育ての世界に来て間もなくて、親はどうしていいかわからない状況なのも確か。コントロールできない、でもしかたないですましてそのまま放置で良いものなのか。

 

相変わらずモヤモヤとすごしているところに、とある本がやってきました。

 

その名も、Leaders Eat Last (Simon Sinek著)

 

この著者は、Start with Why という本でも有名で、夫が彼の本を全て集めています。

一貫して、会社や企業団体、組織の健康的な成長について鋭い見解を書いているそうで、もちろん家庭にだって応用できるだろうと思い、ちょびちょび読んでおりました。

 

そして、最後の方に書いてあった親業へのアドバイス、特にインターネットが子供の生活に及ぼす影響とその具体策が衝撃的で、目からうろこが落ちたので紹介させていただきます。

 

携帯電話は購入前に、使用の約束をきちんとかいた契約書を作り子供にサインをさせ、約束を守らなかったら没収するべき。

 

そして、インターネットに関しては、Wi-Fiのパスワードを毎日変更して使用していいときだけ渡すという方法が書かれていました。

 

これだ・・・。と思いました。

 

これくらいしないと、何も変えられないと。

そして、夫と相談し、うちでは、特に長男の動きが変われば下が従うという構図ができているので、もう長男のPCをケーブルにして、夫のオフィスにあるルーターに接続しているケーブルの先っぽを随時引っこ抜くことにしました。

 

冬休みということもあって、宿題はないはず。友達とのチャットやゲーム時間は1日の予定に合わせてまとめて2時間開放。それ以外は、ケーブルを断ち切る!

 

さっきの本に、「快適なものがなくなるのは不快になるので最初は苦しむ」と書いてあった通り、かなり苦しんでいる様子はありましたが、本人たちも、魔力との付き合い方が難しいとどこかで感じていたのでしょう、特に反発することもなく聞き入れてくれました。それに、私のコンピューターは家の真ん中で緊急使用やみんなで見たいYoutubeだったり調べものに使っていいことになっているので、なんとか、そういう生活になれはじめた様子です。

 

そして、1週間ほどたちましたが、家の中の雰囲気が見違えるようになりました。

 

兄弟同士の絡みが増え、たわいもない会話も増え、食事もゆっくりとるようになり、食後も部屋に駆け込まなくなり、ルービックキューブを極めたり、バスケットボールを持ってジムに行くと言い出したり、ソファーの上でマンガを読んだり、料理を手伝ってくれたり、買い物に付き合ってくれたり。

人間世界にもどってきてくれました(涙)

 

 

もちろん、親も自分を棚に上げてはいけないので、極力スマホの時間は減らすという本気度は必要となりますが、この取り組み、設定を変えただけで、家族内の幸福感は一気にアップと体感しております。

 

 

無理やりにならないように話し合いは必要ですが、

同じように子供の脱ネットびたしでお悩みの親御さん方におすすめです。

 

あ、そろそろ家族が起きてきたので、このへんで。