Swim Mom 日記

くまもと出身、アメリカ東部在住。水泳好きな息子たちのおかげで競泳ワールドを覗いています。

ナウシカと黒ひげ危機一髪

ご無沙汰しております。みなさま、このところ私のSwim Mom日記が、ワクチン非接種生き残り日記になってきていることにお気づきでしょうか? 

 

ズボラ更新に変わりはありませんが、今日もその関連です。

 

私の個人的な感じ方ですが、ワクチンを受けていない者、そしてその家族にとって今の世界はまるでサバイバルゲームのような状態となっています。日常の会話で接種・非接種の確認するようなことは減りましたが、今度は社会の規制の方からじわじわと窮屈さが押し寄せてきているといったところです。

 

たとえば、

 

夫の職場でワクチン強制令が発せられ、夫は渾身の力を込めて意に反するという表明をメールで書き、それが「宗教上の例外」と認められてなんとか首がつながった。

 

また、子供たちの所属する水泳チームが使うジムはスタッフ全員ワクチン接種義務となり、そこでライフガードのアルバイトをするつもりで資格まで取った長男は働けないと分かり落ち込んだ。

 

 

そして更に、高校の部活にまで波がやってきました。秋の部活では長男はクロスカントリー部に所属していましたが、未接種であろうが接種者であろうがマスクは着用だし、みな平等な扱いで、ワクチンのワも会話に出てこないということで平和に楽しんだようです。ですが、つい最近この地域全ての高校にアナウンスされた内容では、この冬からの高校の部活はワクチンが義務化になりますとありました。


「ふーん」と読み進めてみると、その後に、もしワクチンを受けたくない場合は週一のPCRテストを学校で受けることでその代わりとするということが書かれていました。それを読んでまた、「ふーん」と思いました。こんどは、「あっそう」という心の声もついてきました。

なぜ、「よかった!ワクチン受けなくても部活が続けられる!」と素直に喜ばなかったかと言うと、

もし、これで陽性反応でも出たら、10日の自宅待機となり部活どころか学校にも行けなくなるからです。もちろん、同じ屋根の下で暮らす弟たちと妹も同様。さらに、周りの友達にとばっちりが行きます。3フィート以内に15分以上いた他の生徒は濃厚接触者となりその子の親に連絡がいきその子たちが接種済みならばそのまま学校に通えるけど、非接種なら同じく10日の欠席を命じられるという爆弾のようなものだと思ったからです。

 

ひねくれ者のわたしは、「そうやって、ワクチン接種に持っていこうとする目論見ね。ふむふむ、敵ながらあっぱれ」と、しばらく考えたあと、長男に聞きました。

 

こんな、黒ひげ危機一髪みたいなテスト受けるくらいなら、インドア陸上部を諦めるという道もあるよ。水泳は今のところまだあるわけだし。と伝えると、

 

「テスト受ける」との返答。

 

「テスト痛いよ。鼻にぶすーっだよ?」とさらに聞くと、

 

「耐える」との答え。

 

まあ、小さいころ虫歯の治療麻酔なしでも泣かなかった子なので痛みは大丈夫かなと思いますが、

 

あとは、とばっちりをどうするか。

 

本人は、10日の休みを覚悟の上だというので、じゃあもしそうなったら、他の3人と一緒に10日のバケーションってことにして普段行けない場所にハイキングに行ったり、紅葉を見に行ったり、たっぷり遊んですごそうとお得意の開き直り作戦に決まりましたが、問題はよその家庭。

突然学校から電話が来て、「あなたの子供は、陽性者の濃厚接触者です。10日学校には来れませんと言い渡された体験もある私としては、心の準備のない状態でのこの連絡は正直つらいので、なるべくなら被害を減らしたい。

 

そこで、ひとまず状況をもっと詳しく知ろうと、高校の保健室に直接電話をかけました。

 

私の質問に答えてくれた保健の先生からは、どうやら、陽性者の学校での生活を追跡し濃厚接触者探しをリストアップし、さらにその親に連絡をとるという仕事はあまりにも数が多くて大変なので、私ひとりじゃ正直無理なのよ~~!!という予想外に人間味あふれる答えが返ってきました笑 (敵か見方かわからない!)


「だから、今はもう生徒に直接聞いて、濃厚接触者にあたりそうな人の名前を言わせているのよ!ワハハハ!!」 と。

 

「そ、そうなんですねー。あ、それで全然いいと思います!!!!ワハハハ!!!」と

なぜかつられて盛り上がりつつも、

更に詳しく聞くと、部活の大会でスクールバスに乗る際は前と両隣、そして後ろに誰もいないスポットに座っていれば、濃厚接触者を作らないということもわかりました。

 

それならバスは攻略できそうだと分かりました。

それにランチも14分以内に食べ終わればよいし、授業も、なるべく人が近くにいないところで聞けばよし。友達との立ち話も、14分のタイマーを身に着けてその都度離れるとすればよいわと念入りな計画を立てることができました。


といっても、15歳は接種済みの子は半数以上を占めているので、その子たちは無敵カードを持っていて、とばっちりは行かない。

気を付けてあげないといけないのは、同類の非接種組ということです。

非接種の子たちがどこにいるか把握して、なるべく彼らの近くに行かない動きをする、これがキーになると思いました。なんだかボードゲームか何かで遊んでいるかのような気分です。

 

ふー。

 

それにしても、なぜここまでして頑なに接種を拒否するのか。いろいろめんどうくさいのに。時間もエネルギーも無駄にしてるよ。自由を奪われているよ。

 

よく言われます。

 

かつては、言い返す気力が有り余っていましたが、

最近は私もよくわかんなくなってきました。そう、もう、あたまも心もギリギリ・・。

 

 

 

でもなんとか気力をたもつための、私のお守りといいますか、心の支えになっているお手本を一つ紹介します。

 

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ナウシカの原作の一コマ。夫が図書館で借りた英語版を読んで感動し、「これは今の時代に読むべき作品。あなたも読んだら?」と度々絶賛するので、「日本語版を買ってくれたらぜひ読むわ」と言ったところ、本当に買ってくれたのでありがたく読むことができ、夫絶賛の理由が分かりました。


 

この写真は、シュワの墓の前で放つナウシカの言葉。

7巻ありますが、このシーンが一番強く頭に残っています。

 

ドロドロとした救いようのない世界を浄化させるためのビジョン、綺麗な言葉を並べ立てられても、結局ナウシカは、不完全な、どろくさい、未完成の、毒のある世界との共生を選んだという、驚くべき結末で放った言葉。

 

ナウシカを話し出したら、止まらなくなるのでこの辺で。

もし語りたい方がいたら是非うちに泊まりに来てくださいね。夫と私で大歓迎させていただきます笑

 

さて、黒ひげはどうなるかしら。

深刻になりすぎず、なんとか家族で切り抜けて行こうと思います。